2023年度 介護食士夏季指導員・准指導員研修講座を開催しました

群馬調理師専門学校を会場にて、2023年7月31日と8月1日、介護食士夏季研修会を開催しました。

この研修会は、介護食士養成講座を開催している会員校の教職員が対象で、この研修会に参加する事によって学校で介護食士講座を開講するための准指導員・指導員資格の取得や更新ができます。今年度は合計51名の教員が集いました。

群馬調理師専門学校

1日目は開会式に続いて、准指導員は当協会会長 遠山巍氏による「介護食士講座の進め方」、介護食士事業推進委員会委員 荻原による「介護食の基礎知識」の講義を行いました。並行して指導員は当委員会委員 宮澤と神谷が「食べやすさを科学する」について講義と演習を行いました。

午後は、鶴岡食材を使った嚥下食を考える会代表 延味克士先生による「鶴岡食材を使った嚥下食」について講義とデモンストレーションをお願いしました。

2日目は、群馬調理師専門学校 廣瀬武士先生による「群馬の食材を使った高齢者向けの食」の調理実習、当委員会委員 宮澤による「介護食士試験について」、群馬ヤクルト販売株式会社 髙橋江里加先生による講演「高齢者の健康と乳酸菌」を行いました。その後、修了式において、受講者に准指導員と指導員の認定証を渡して終了しました。

研修のうち、延味克士先生と廣瀬武士先生の講義について紹介します。

「鶴岡食材を使った嚥下食」(延味先生)

塩味克士先生
塩味克士先生

鶴岡食材を使った嚥下食を考える会 代表 延味克士先生は、山形県鶴岡市にある湯野浜温泉保養所「うしお荘」の調理人兼支配人でもあります。まず「お腹も心も満たされる鶴岡の食材を使ったハレの日の嚥下食」について話されました。「鶴岡食材を使った嚥下食を考える会」は、言語聴覚士、管理栄養士、介護士で構成されたメンバーで、嚥下食を提供できる旅館や飲食店を探していました。延味先生は、調理技術を活かして嚥下食を作って食べてもらい喜こばせることが出来るのなら、とこの会に賛同して協力する事になり、異業種の連携によって安全でおいしい嚥下食作りが始まりました。

今回の研修会では、技術を活かして嚥下食に不向きな食材も歯切れよく、のどや口内に張り付かず、飲み込み易い「握り寿司」と「豚の柔らか煮」をデモンストレーションしていただき、寿司(軍艦巻き)を試食しました。軍艦の海苔は、海苔とだしをミキサーにかけてアガーを加えて加熱して薄く固めて作ります。

老人保健施設で、普段はミキサー食の食事の方に、孟宗汁やお寿司を作って食べてもらったところ、美味しい、とおかわりしたり、普段は全介助の方が自力でお寿司を食べていたというNHKで放送された動画を見ました。「食べることは生きる事、生きることは食べる事」を実感しました。

塩味克士先生
塩味克士先生
試食した「鮪・鯛の軍艦」
試食した「鮪・鯛の軍艦」
握り寿司
握り寿司
豚の柔らか煮
豚の柔らか煮

「群馬の食材を使った高齢者向けの食」(廣瀬先生)

廣瀬武士先生
廣瀬武士先生

群馬調理師専門学校のイタリア料理主任の廣瀬先生に、「魚介と野菜のオレッキエッテ」(手打ちパスタ)と「豚ロースのピカタ」の作り方を指導していただきました。

高齢者にはイタリア料理は不向きと考えるむきはありますが、なんでも食べられる、または柔らければ食べられる高齢者も多いので、介護食の中の普通食に該当する料理として実習しました。パスタといっても細長いパスタでなく、形を自在に作れるパスタだったので、飲み込みの程度によって、サイズを調整できると思います。ピカタは、高齢者にはタンパク質を多く摂ってほしいし、魚より肉が好きな方も多いので、薄く伸ばして作る豚肉のピカタは食べてほしい料理であると思います。

魚介と野菜のオレッキエッテ
魚介と野菜のオレッキエッテ
豚ロースのピカタ
豚ロースのピカタ